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田中の研究ストーリー

大学院時代

卒論の過程で知った人工知能、特に機械学習の研究に興味を持ち、当時長津田の東工大に新しくできた知能システム科学専攻を受験し進学。助手から助教授に昇任されたばかりの山村雅幸先生の第一期生として研究室をゼロからスタート。遺伝的アルゴリズム(GA)や強化学習の研究で著名な先輩方が日々熱く議論を交わす小林重信研究室のゼミに加わり、いわゆる創発型計算、Biologically-inspired systems、人工生命等の考え方を学ぶ。また、山村先生は研究を大きくバイオ系に転回され、同研究室ではDNA-Computingやバイオインフォマティクスの研究に触れることができた。

その他、大学院時代は全期間を通して、当時東工大にいらっしゃった山田誠二先生高玉圭樹先生から、人工知能研究の面白さや研究者の生き様について広くご指導を賜り、影響を受けた。

博士論文は「Multitask Reinforcement Learning with Value Statistics」と題し、複数の学習タスクを過去学習経験を活かしながら継続的に解き続ける強化学習法を提案。タスク分布を記述する数学的クラスを準備し、そこから継続的にサンプリング提示されていくタスク群を、過去学習の統計量を利用して効率よく解いていく問題として定式化。強化学習アルゴリズムを導出し、計算機シミュレーションによって効果を検証した。本研究の過程において、人工知能学会・計測自動制御学会・日本建築学会などから受賞。これらは1997年~2003年頃の研究だが、昨今のAIブームや強化学習への再注目?からか、論文引用や問い合わせが増えてきている。

Sony時代

こうした博士論文を書いたのは、将来のイメージとして「電源スイッチの無いロボット」、つまりひとたび稼働し始めたら壊れるまで動き続けて、発達的に学習し続けるロボットを考えていたからであった。行動力に任せてAIBOのチーフエンジニアであった藤田雅博さんを何とか探して突撃し、面接を経てSonyへ新卒入社。本社内ロボット系研究所(土井利忠所長)に配属。当時商品化目前であった、後にQRIOと呼ばれることになる二足歩行小型ヒューマノイドの開発チーム末端の一員として開発業務に従事した。

2004年、土井さんは十数人のメンバーを引き連れて、将来のロボットのカギとなるであろう発達型の統合知能モデルを研究するソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所を子会社として設立。私も参加。この会社は土井さん長年の経営哲学におけるひとつの理想形であったようだが、個々が優秀であるのみならず、素晴らしいチームワーク力を有するリサーチャー陣、楽しさ・雰囲気をいつも維持してくれるマネージャー陣やオフィススタッフ陣、そしてクリエイティビティとパワーの源泉・まさにdriving forceそのものであった土井さん、と実に素晴らしい職場であった。2007年の閉所は今も惜しまれる。

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)時代

上述のソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所内において、人間-ロボット間インタラクション(Human-Robot Interaction: HRI)の研究を開始した。この過程で2004年の秋から3年間にわたりカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のMachine Perception Laboratoryに滞在し、現地の保育所にて乳幼児とQRIOの長期的なインタラクション観察研究を実施。ここでは、実際にQRIOを2歳未満の教室に5ヶ月間参加させて、子どもたちとの間の社会化の過程を観察、さらには「飽きさせないロボット」のための重要要素抽出を試みた。

本研究は非常に高い評価を得て、2005年にはIEEEの国際会議RO-MANにてBest Paper Awardを受賞し、さらに2007年には論文がHuman-Robot Interaction分野において史上初めて米国アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。本研究の内容は、米CNN, NBC, CBSや英BBCなど各国の主要メディアを始め、Nature, Science, Scientific Americanなどのニュースにおいても広く報道された。(国内報道サンプル:朝日新聞、インプレスRobot Watch) また、観察の現場で日々感じたことや興味深いエピソードなど技術論文には書けないが残したかった記憶を、一般向けにエッセイ調で書き綴りこの本の1チャプターとして出版した。

アカデミア転職後

2014年に筑波大学でテニュアポストに就くまでに、幾つかの特任ポストを渡った。最初は山海嘉之先生のサイバニクスGCOE拠点の准教授であった。「エンドエフェクターは人」という本質はまさに山海先生から学んだ。同時に、石田亨先生のJSTさきがけに採択して頂き、3年半の間、多くの刺激を受けた。石田先生は私が学生の頃から憧れのスターであったが、豪華アドバイザー陣や同窓研究者たちからも多くの刺激を受けた。今も書いてて「もっと頑張らねば」という気がわいてくる。。

2013年から1年間、東大・情報理工学系研究科の國吉康夫先生に特任准教授として雇って頂いた。たった1年間であったが、國吉先生から学んだことはこれまた計り知れないほどのものがある。研究・教育・運営のすべてに高い理想を追求する國吉先生の背中はカッコいいの一言。「(簡単に)やれることをやるな」という國吉先生のお言葉は、今も月に1回くらいは夢に出てくる。

 

(2017.10.4 更新)